マルちゃん、いちばんは
じぶんのちからがえらいね
新聞のデスク日記を読んでいて、考えてしまった。
何か変だ、で始まる記事には、教授を務める大学で、学生たちの前期リポートについて書いてあった。
見覚えのある文章は、新聞記事の言葉をあちこち抜いているもので文意が通じない。テーマに無理解な別のリポートは、評論家の乱暴な解説を丸写し。インターネット「ウィキぺディア」をまとめたものもあったそうだ。リポート提出96人。論を展開する力作もあったが、むしろ不可にした12人の学生が気になってあるという。
私が感じた懸念は、結びに書いてあった。
ーー「盗作」に走りながら大胆不敵にも抗議していた学生もいた。いろんな論文や意見を苦労せずに入手できる便利さが一部学生の心をむしばんでいる。
引用はするだろうが、そこから自分がなにを学び、思考し、書くのではないか。
自分で考える。リライトするにしても、大変な読解力と自分のフィルターをとおして、新しい文章を書き上げる、力がいる。
似たようなことはいくつもある。
猫の里親さがしに関わると、え?と思うことがよくある。
ブログに記事を書きました、ネットでお願いしています、と飼い主はいう。
それ以外、なにもしていない。 「ポスターやチラシは?動物病院や店舗への貼り紙は?片っ端から友人知人にお願いしましたか?ネットと同時にどう動いていましたか?」と聞くと、なにもしていない。
子猫は全国どこへも届けます、と言ってあったが、多数いた猫たちの検査、医療費も払えなく放置されていたから、全国ってできるんですか?とたずねたら、できません、と飼い主は答えた。
チラシつくりましょう、地域、地元で探しましょう。地元の活動家にもお願いしましょう。動いた方がはやい。飼い主さん、一緒に苦労してがんばりましょうか。感染症の拡大が始まったから、病気の猫は隔離しましょう、産まれる子猫は陰性なら大丈夫ですよ。多頭猫崩壊しながら妊娠してる猫のケースも多い。
ある案件はもう現場にもはいれなかった。とんでもない感染症の拡大が始まっていた。全猫感染、次々にいのちをおとしている。里親さん募集って、里親さがしできるの。苦慮しながら獣医に現場入りに当たって、服装、消毒、細かいアドバイスをいただいた。獣医は「でも、馬場さん、その感染症は感染力が強い。マルちゃんやメルちゃんがいますから」そう言った。
接触感染。さわれば、服や靴につけばもう感染源を持ち帰ることになる。現場からどうやって自宅にはいるか、頭が痛くなるほど考えた。考えて考えて、地元の活動家に聞いてみて、断念した私に、「賢明な選択だと思います」となぐさめてくださった。
なにかが
欠けてきている
そんなきもちが
ぬぐえない
怒らないが
ねじりはちまき
ちえをしぼって
しらべたりうごいたり
便利になった
情報はほんとうに便利になった
うまくつかえば、いかされる
でも
便利になるということは
なにかしらたいせつな感覚を
うしなうこともあるのかもしれない
半村良氏の著書で
以前、読んだ人間の進化した姿が
半村さんらしく表現されていた。
手も足もない
ぬぺっとした、肉のかたまりだった
と、今、思い出す
うちのにゃんこどもたち
みんにゃは
みをもってまなんできたんだね
どうやっていきていくか
いっぱいしって
うちにきたんだね
えらいね
(2012.8.21記事より2019改編投稿、記事内の感染症はパルボ)
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