ちょっとでかけたかえり
ご近所の方がチワワをつれて
さんぽしていたから
いつものように
うふうふふかわいいですね
なんてやってたら
ねこがそばでうろうろ
うちのねこですよって
ご近所の方はいった
たまにみかけるくらいのご近所さん
まだほかにねこがいるんですよ
そうなんですか

たぬきみたいで
ふさふさでちゃいろのねこ
なまえは・・・だそうだ

きたきたきた
まいにちきてる
うちでは、くぅちゃん、だよね
ごはんをたべるけれど
わたしをみたらにげだす

きょうも
にげようとしたから
よんでみた
「トマトちゃん」

ぴたっとうごきがとまった
「トマトちゃん」
もいちど、よんだ
かおをみあげてめがあった

「トマトちゃん」
しっぽふりふり、おへんじ
にげずにすわったトマトちゃん
わらいながら
わたしはそばへそばへ近づいていき
トマトちゃんもそろそろと近づいてきて
なでなでをした

かわいがられているんだね
なまえはとてもだいじなことだま

わたしがきめていることのなかのひとつ
なまえで叱らない
なまえで怒らない
なまえに怒りはぜったいにこめない

叱るときは、こら、とか、だめよ、とか
第一声がなまえなら
じぶんのなまえがおこられることばになる

なまえだけは
おぼえておいてね
おかあさんやおとうさん
みんなのあいが
いっぱいいっぱい
つまっているよ
そばでみつめあったトマトちゃん
ささやかなこと
でも、ものすごくあたたかいこと
うれしくてしあわせで
むねいっぱい

世界の七不思議ばかりじゃない。シンセサイザーだって、小説だって。今日のお天気も、おいしい料理の味つけも、編みこみのセーターも、いい音楽も、人間のカラダも、美しいティーカップも。みんなみんな、心ときめかせるものは不思議でいっぱいだ。不思議の近くには、感動とか発見、幸運なんてコトバがいつもかくれていそう。だから、誰でも、不思議が大好き。
（１９８１年西武・広告コピー／糸井重里さん）

「誰でも」の三文字で
いっぺんに「世の中みんなのおもい」
そんな広さに開かれる。

うちのにゃんこどもたち
おなまえよんだら
すぐとんでくるのに
メル姫ちゃん、よくしらんぷりするね
なのにさ
おとぅちゃんが、メル♪
っていったら
うにゃうにゃ、ついていくの
ふしぎなしあわせだね

じぶんのなまえ
どれだけのたくさんのねがいやいのり
あいがこもっているか
かんがえたことありますか
その、おととことばと
その、ひらがなと漢字と
ありがたくてなみだがでます