純愛は、順愛。

いますよ そばにいます

庭にでると
きいろい花がさいていた
ふたあつ つがいのよう

🍀

新聞に載っていた、ちいさなちいさな記事。

ある女性の訃報がタイの英字紙に載った。ゲーオさん。8月なかば、タイ北部のメホンソン県内で亡くなった。老衰、86歳。

ゲーオさんは第二次大戦中、村に進駐してきた日本兵のフクダさんと恋に落ちた。
終戦後もフクダさんは村に残り、ふたりは結婚。子どももふたり、授かった。

でも、タイでの居住権がなかったフクダさんは、数年後、警察に拘束される。移送の途中で脱走を図ったが失敗、日本に送還された。
以来、フクダさんとの音信は途絶えた。

ふたりの物語からヒントを得た「メナムの残照」は、タイの国民的映画となる。
リメークされるたびに大ヒット。テレビドラマ化された時は、放映時間になると、街から人が消えて店の営業も中断。その時間帯は犯罪もゼロだったと言われるほど。

映画もゲーオさんたちと同様に、ハッピーエンドではないが、ひとりの相手をおもい続ける、という純愛が特に若い女性に圧倒的に支持されているのだという。

フクダさんともう会うことができないと悟り、「生まれ変わって会いたい」さいごまで、そう話していたという、ゲーオおばあちゃん。

純愛は、順愛。
どの世にいても
どんな物語を紡ぐのだろう。
戦争があったから
めぐりあったふたりがいて
戦争があったから
ひきさかれたふたりがいる。
生まれ変わったら
添い遂げるおもい
はたすのでしょうか。

🍀

にんげんはね
うまれてくるまえ
せなかあわせに
おとことおんながくっついていて
おたがい
かおをみたい、というから
かみさまがね
はりついたせなかをきりはなし
かたほうのひとりを
とおくにとばして
そのひとをさがすように
うまれてくるんだよ
って
そんなはなしをこどものころ
わたしのおかあさんは
してくれました

うちのにゃんこどもたち
運命の出逢いしてるよ、みんにゃ、きっと
いるでしょ、みんにゃと
ほらね、おかぁちゃんだよ

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